よこで耳鼻咽喉科

図解でわかる!症例別症状解説 鼻の病気

鼻の病気

主な鼻の病気

インフルエンザ

 インフルエンザウイルスの感染による炎症です。空気中のインフルエンザウイルスを吸い込むことによって感染するため、感染している人がくしゃみや咳をした際に空気中にウイルスが撒き散らされ、そのウイルスを含む空気を吸い込むことで感染する(空気感染)。インフルエンザウイルス潜伏期(感染してから症状が出始めるまでの時間)が極めて短く、感染すると約1日後には症状が出始め、その後は爆発的に広がっていきます。
 一番の特徴は高熱です。インフルエンザにかかると大人でも38〜40度の高熱が出ます。さらに強いだるさや消耗感、筋肉痛、関節痛などが出て、その症状が3〜5日も続きます。

感冒

 一般的に「風邪」と呼ばれる病気です。主にかぜウイルスの感染による上気道(鼻腔や咽頭等)の炎症性の病気で、体のだるい感じや寒気、のどや鼻の乾燥感などが1〜2日続いたあと、のどの痛みや鼻水、鼻づまり、頭痛、発熱などの症状が起こります。
 初期はさらさらとした水様で、徐々に粘々とした膿性に変化します。時に全身症状が強くなり、重症化することもあります。消化管のウイルス感染によって嘔吐、下痢、腹痛などの腹部症状と上記全身症状を来した状態を、「感冒性胃腸炎」「お腹の風邪」と呼ぶこともあります。

急性鼻炎(きゅうせいびえん)

 急性鼻炎は鼻かぜといわれるものです。鼻腔の粘膜に、さまざまな原因で炎症が生じたものを鼻炎といいますが、そのなかで急激な経過をとるものを急性鼻炎といいます。ふだんから鼻粘膜を痛めつけたり、抵抗力を弱めるような環境(特にきたない空気)の中で生活する人々や、抵抗力の弱い子どもなどに多く起こりやすい病気です。
 鼻づまり、鼻水、くしゃみといった鼻症状が一般的です。多くの場合、かぜに伴って起こるため咽頭痛や咳、発熱、食欲不振、頭痛なども伴うことがあります。ひどくなると粘膜のはれが耳管を通って中耳の粘膜へも達して、それぞれ中耳炎や副鼻腔炎を起こします。咽頭炎から気管、気管支炎を起こすこともあります。

慢性鼻炎(まんせいびえん)

 鼻の粘膜が慢性的に赤くはれている状態で、急性鼻炎をくり返しているうちに症状が続いたままになるのが慢性鼻炎です。またほこりがひどかったり、ガスが発生するような工場でマスクもかけずに長時間働いている人もかかります。
 鼻づまりと鼻水が主な症状です。鼻づまりは、鼻のつまり方は、軽かったり重かったり、片方の鼻だけだったり、両方だったりいろいろです。鼻水は粘性が多く、鼻がかみきれない場合もあります。また、鼻水がのどに落ち、痰として排出されます。。鼻汁も粘膜性のものが多量に出て、内部のはれのため鼻をかんでも全部はとりきれずに鼻腔内にたまり、そこへ細菌が感染して膿性になります。これが咽頭の方へ流れて、たんのように口から吐き出されます。

急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

 副鼻腔に風邪のウイルスや細菌が入り込んで急性の炎症が起こることを急性副鼻腔炎といいます。かぜに引き続いて細菌感染が副鼻腔に起こり発症します。細菌が副鼻腔で繁殖し、急性の炎症を起こし、結果として副鼻腔内に膿がたまります。
 最初は、鼻水や軽い発熱、頭痛など風邪の症状が続きます。次第に粘り気があって嫌なニオイのする鼻水が出て、鼻づまりによって味やニオイがわからなくなります。ひたいや目の奥に痛みを感じ、鼻水が喉に流れて咳が出ることもあります。炎症が起こる場所によって、ひたいや目の奥以外にもほおに痛みが出たり、ひどい頭痛、頭が重い感じに悩まされます。症状が進むと、ごくまれですが目や脳まで侵されることがあります。

慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)

 一般に急性副鼻腔炎が治らずに慢性化したものを慢性副鼻腔炎といいます。一般的には蓄膿症と呼ばれる身近な病気です。副鼻腔の粘膜に炎症が起こると、そこで大量の粘液が作り出され、鼻汁として鼻腔から排出されます。鼻汁が絶えず出てきてよく鼻をかむ、鼻が常につまっていて、口で呼吸をしている、いびきをかく、においがわからない、頭痛などの症状が慢性的に持続する方は注意が必要です。
 慢性化する理由は、鼻腔との境界の非常に狭い穴が粘膜のはれにより閉じられてしまい、副鼻腔にたまったうみが鼻腔に排泄されにくくなることにあります。腫れの原因は細菌感染(黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌など)による炎症、急性炎症の繰り返しや遺伝的体質、アレルギーなどが考えられます。

歯性上顎洞炎

 歯の炎症から上顎洞の炎症を起こしたものです。上顎洞は歯と隣り合っているので、むし歯を治療せずに放置していると、時に歯性上顎洞炎になります。
 急性の場合には、歯の痛みに続いて、突然悪臭の強い膿性の鼻水や頬部痛が現れます。慢性の場合には、歯の痛みは比較的少ないようです。シソーノーロー(辺緑性歯周炎)が進行して周囲の骨を吸収し上顎洞下底の骨をとかしても起こりますので虫歯がないからといって安心はできません。

鼻出血

 いわゆる鼻血と呼ばれるもので、、急性鼻炎、鼻腔内異物、外傷などによる出血です。最も血管が集まっているのは鼻中隔の前方のキーゼルバッハ部位で、ここが鼻出血の最も起きやすい部位です。キーゼルバッハ部位とは鼻に指をほんの少し入れたとき、その指先が内側(鼻中隔側)で触れることのできる中央の硬い部分で、ここには血管が多く集まっています。この部分をアレルギー性鼻炎のかゆみで鼻を強くこすったり、指を鼻に入れる習慣でも起こります。
 鼻も触らない、傷もない、鼻のなかも荒れていないのに、ジワジワとしつこく、頻繁に鼻血がでる場合は白血病、血小板減少症などの血液の病気も考えられるので注意が必要です。

鼻閉

 鼻閉とは鼻づまりのことで、多種多様な疾患が原因となって起こる症状の一つですが、すべてが病気によるものではありません。片側の鼻が数時間で左右交代に起こる鼻閉はネーザルサイクルといわれ、生理的現象です。病的な鼻閉は、両側の鼻閉といつも同じ側の鼻がつまっている場合です。主な原因として、感染症、鼻腔の構造的問題、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、肥厚性鼻炎などが考えられます。いびきの原因になったり、日常生活に多大な影響が出る方もあります。

鼻漏

 鼻みず、鼻汁のことで、鼻の粘膜にある分泌腺と杯細胞から出た分泌液と、鼻の血管からにじみ出た血漿成分の合わさったものです。なんらかの障害でこの粘膜分泌機能が亢進すると分泌液が増え鼻漏になります。鼻漏の性質として単なる粘液分泌の亢進による粘液性鼻漏、水の様にさらさら流れる水様性鼻漏、これと類似した脳脊髄液が流れてくる髄液漏、血と鼻汁がまざった出血性鼻漏、などがあります。細菌感染によって生じる膿性鼻漏は粘りけのある、色のついた鼻汁が出ます。

副鼻腔腫瘍

 腫瘍とはつまりできものの事で、悪性のものを癌と言います。鼻腔に生じる癌を鼻腔がん、副鼻腔に発生するがんを副鼻腔がんとよび、がんができる空洞ごとに上顎洞がん、飾骨洞がん、前頭洞がん、蝶形骨洞がんといいます。
 初期の状態にはほとんど自覚症状がありません。副鼻腔を圧迫すると痛みや違和感が出てきます。また、鼻腔に進むと鼻づまりや鼻出血等の症状がでてきます。

副鼻腔嚢胞

 副鼻腔炎(ちくのう症)の手術をして、数年から数十年たった後で副鼻腔の奥の粘膜に炎症が残っていたときに、そこに粘液が少しずつたまって、のう胞になることがあります。嚢胞とは分泌物がたまったふくろが徐々に大きくなった状態をいいます。嚢胞は周囲の骨を破壊し拡大するため、その圧迫によりほおのはれや眼球の突出、また歯の痛みなどが生じます。多くの場合、経過が極めてゆっくりなため、症状を自覚するのは相当進行してからです。

嗅覚障害

 嗅覚障害の原因には、鼻の変化、鼻から脳へ走る神経の変化、脳の変化などがあります。かぜを引いて鼻の空気の通り道が詰まると、においの分子が嗅覚受容器へ到達できないために、においがよくわからなくなります。本来よいはずのにおいを悪臭と感じる嗅覚錯誤異臭症などもあります。副鼻腔の重度の感染症や癌の放射線療法が嗅覚や味覚を失う原因となり、症状が数カ月続いたり永久にそのままになる場合もあります。