よこで耳鼻咽喉科

図解でわかる!症例別症状解説 喉の病気

喉の病気

主な喉の病気

急性咽頭炎

 急性咽頭炎とは、咽頭粘膜が炎症を起こす病気です。一般的に“喉風邪”と呼ばれ、風邪の初期症状として発症します。原因はインフルエンザウイルスや細菌感染、汚れた空気や刺激のあるガスの吸入によるものなどが主ですが、鼻炎から発症することもあります。初期症状として、咽頭の粘膜が炎症を起こし腫れることによって咽頭の痛みやいがらっぽさを感じます。炎症が咽頭全体に及べば咽頭痛の他に、ものを飲みこむ際の痛み、全身の倦怠感などの症状に加え、37〜38度位の発熱などの症状が現れます。
うがいをして咽頭を清浄し、安静にして、暖かくしてゆっくり休養することで回復します。脱水症状を起こさないように十分な水分を摂り、喉に刺激を与えるような刺激の強い食べ物やタバコは避け、栄養のあるものを食べます。薬物療法は消炎鎮痛剤や抗生物質のほかに、発熱が続くようであれば解熱剤を使用します。抗生物質はウイルス感染には効きませんので細菌感染を合併した場合のみの使用します。喉の粘膜には免疫機構がありますが、乾燥するとその働きも低下し、感染しやすくなりますので、感染を防ぐ為にもうがい薬を使ってうがいを行い、部屋の保湿を行いましょう。

慢性咽喉頭炎

 急性喉頭炎とは、呼吸器官の入り口である喉頭の粘膜が急性の炎症をきたす病気です。
 ウイルス、ぶどう球菌、肺炎球菌などによる気道の感染、声の酷使、タバコの煙や有害物質を含む空気の吸入などからおこる場合と、食物アレルギーや糖尿病などから抵抗力が低下している場合にもおこります。症状は喉頭全体の粘膜が炎症を起こすことによって喉頭の痛み、異物感、しわがれ声を生じます。タバコの煙などの有害物質を含む空気の吸入による場合は、声帯の後方にある披裂筋がむくみ呼吸困難が起こります。
 治療方法は原因によって異なりますが、炎症や痛みに対しては、消炎剤や鎮咳薬の内服、細菌感染に対しては抗生物質が使用されます。声の酷使には発声を控えたり、タバコを控えるのが有効です。また、うがいや口内錠などを用います。

急性扁桃炎

急性扁桃炎とは、扁桃に細菌が感染し、炎症がおこるものです。原因は細菌の感染による場合が多く、特に溶血性連鎖球菌などの化膿菌によって発病するケースが多く見られます。健康な時は細菌が存在しても、防御する働きがあるので感染しませんが、風邪をひいたり、過労で抵抗力が落ちると、免疫力が低下し炎症をおこします。
扁桃が感染すると39〜40℃の高熱、悪寒、嚥下痛、扁桃の発赤と腫れなどがあらわれます。また、関節痛や首のリンパ節が腫れることもあります。喉の痛みが強く、食事や水分を摂りにくくなりますが、脱水症状をおこさないように水分は必ず摂取しなければいけません。消炎酵素剤、抗生物質、鎮痛解熱剤を投与して、安静にしうがいを行っていれば、数日〜1週間ほどで治まるります。扁桃炎を繰り返すようであれば、扁桃を切除する手術が行われる場合もあります。抵抗力を落とさない為にも、過労やストレスには気をつけ、十分な睡眠、栄養のある食事をしっかりとりましょう。また、過度の飲酒、喫煙は控え、喉を乾燥させないようにうがいを行いましょう。

扁桃周囲炎

 扁桃炎の炎症が悪化したり、治療が不完全なときに炎症が扁桃の周囲にまで及ぶことがあります。これを扁桃周囲炎と言います。扁桃周囲膿瘍は、扁桃の片側だけに起こることが多く、高熱、咽喉の激しい痛み、嚥下痛で、口を開くことが困難になり、食事や水分を取りにくくなります。腫れがひどくなると、呼吸をするのも苦しくなります。患部の奥に膿が溜まっている場合は扁桃周囲膿瘍をおこしている可能性があります。
 扁桃周囲膿瘍の治療は、基本的に入院して行われます。症状がひどい場合には、抗菌薬やステロイド薬を点滴に混ぜることもあります。点滴と併せて、膿がたまっている部分を切開し、内部の膿を排出する処置で症状は軽快します。日常生活では十分な睡眠時間をとり、疲れやストレスを溜めないように気をつけましょう。

扁桃肥大

扁桃には口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌根扁桃などがありますが、これらの扁桃が肥大して普通よりも大きくなったのが扁桃肥大です。扁桃は免疫に関わる臓器で、口や鼻から侵入してきた細菌やウイルス対して防御する機能を持っています。
口蓋扁桃、咽頭扁桃は、母体からの免疫が薄れる1歳すぎから相前後して生理的に大きさを増します。口蓋扁桃は2〜3歳ころより肥大が始まり、7〜8歳で最大になり、9〜10歳ころには自然に小さくなります。咽頭扁桃は、口蓋扁桃より1〜2年先行して大きくなり、6〜7歳ころに肥大のピークがあります。舌根扁桃は20〜30歳にかけて肥大します。扁桃肥大は、直接に気道を狭くすることから、いびきや睡眠時無呼吸症候群を起こすことがあります。また、嚥下障害を起こすこともあります。
急性に肥大した場合であれば、薬物投与で改善することがあります。ただ、長期間にわたり肥大、閉塞症状が続く場合は、扁桃を手術で摘出する場合もあります。

咽頭がん

 咽頭がんは上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分かれます。

【上咽頭がん】
 上咽頭にできるがんで、EBウイルスの関与が指摘され、40〜60代の男性に多くみられます。上咽頭は耳や脳に近いので、腫瘍ができると神経を圧迫し、障害がおこります。初期には片方の鼻つまりや、鼻汁が臭い、進行すると、耳が塞がった感じや聞こえが悪くなります。
 脳神経に及ぶと、頭痛や視力障害がおこり、転移すると首のリンパ節が腫れてきます。治療は放射線治療と抗がん薬治療(化学療法)を組み合わせて行うのが一般的で、手術が第一選択になることはありません。

【中咽頭がん】
 中咽頭は上咽頭の下方で軟口蓋の高さで区切られます。中咽頭がんでは扁桃肥大と間違えられることもあります。また、リンパ組織からなる扁桃があり、悪性腫瘍ができやすいところです。50〜60代の男性に多く、主に扁平上皮がんと悪性リンパ腫がみられます。中咽頭がんや下咽頭がんではアルコールやたばこ、食物、環境因子などと因果関係があるとも報告されています。進行すると、潰瘍をおこしたり隆起して、嚥下や開口時に痛みが生じます。頸部リンパ節腫大もあります。全身に転移すると、生命に関わる病気です。早期に発見した場合は、扁平上皮の場合は放射線治療と手術を行い、悪性リンパ腫の場合は放射線治療と化学治療を併用します。進行している場合は手術治療になり、その場合には嚥下機能障害が術後に生じる場合があるため、嚥下障害に対する手術が必要になります。

【下咽頭がん】
 下咽頭は食道をつながった部分で、下咽頭がんはここに腫瘍ができたものです。のどが詰まった感じや咽頭の違和感に始まり、嚥下痛、咽頭痛、声のかすれなどの症状が出ます。下咽頭の中でも、梨状陥凹にできるがんは男性に多く、喫煙や飲酒の多い人ほど発ガンリスクが高くなります。直接肉眼的に見ることはできないので、内視鏡検査による観察が必要です。初診時にすでに進行がんになっていることが多いので、咽頭喉頭食道摘出術という下咽頭とともに喉頭を摘出する手術を行います。その場合、喉頭も全摘するので、永久気管孔となり声は出なくなります。

喉頭がん

喉頭癌は、この声帯およびその周辺に発生します。喉頭癌は耳鼻咽喉科領域の癌の中では治りやすい部類に入ります。
声門がんは声帯そのものにできると、すぐ声がかすれてきます。つまり早期発見がしやすいのです。がんが大きくなると、声門が狭くなり、飲み込むときの痛みや息苦しさを感じるようになります。咳した時に痰に血が混じることもあります。
 早期発見・早期治療で60〜70%は完治する病気です。しかし、声門がんは早い段階に声のかすれがあるので気づきやすいのですが、それに対して、声帯の周辺にできた癌は、初期には何の症状もないため早期発見が難しくなります。声帯自身や声帝を動かす筋肉に癌が進行してからでないと声がれが起こらないからです。
 初期の癌で他に転移していなければ、放射線(コバルトなど)療法だけでほぽ治ります。進行している場合でも、放射線治療と手術でほぼ治ります。手術は喉頭の切除ですが、部分切除が可能なら声帯機能を温存することができます。しかし、全部摘出してしまう場合は声が出なくなりますが、食道発声法を練習することにより他の人との意志の疎通は可能です。
 喉頭癌の病因としては、喫煙、飲酒、音声酷使(声の使いすぎ)などとの関連が指摘されていますが、特に喫煙が喉頭癌の発生と密接に関連していることが報告されています。症状があらわれてから喫煙や飲酒を止めても累積量を減らすことはできませんので、早いうちから控えましょう。

声帯ポリープ

声帯ポリープとは、声帯に生じる炎症性の腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)で、通常片側に発生します。ポリープの大きさはさまざまで、まれに両側の声帯にできることもあります。のどの使い過ぎが原因で起こり、ほとんどが片側に生じます。主に、女性よりも男性に多く見られるます。
一過性の声の乱用が原因といわれています。カラオケなどで長時間歌ったり、怒鳴り声、タバコの煙の刺激などによって起こるとされています。さらに、風邪などによる上気道炎が重なれば声帯全体が大きく腫れあがりポリープができやすくなります。声を酷使する職業の人(歌手、アナウンサー、教師、)などに多く見られます。
声がれ(嗄声(させい))が主症状ですが、のどの違和感や発声時の違和感などの症状を示すこともあります。ポリープが大きくなるとまれに呼吸困難をきたす場合があります。
間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で声帯を観察し、ポリープを確認することで容易に診断できます。腫瘤が癌であるか調べるために組織片を採取して顕微鏡で調べる生検が行われることもあります。
声帯ポリープができたばかりの時は、のどを休めて一定の期間声を出さない沈黙療法や吸入療法などで自然に消えてなくなる可能性もあります。また、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療により、ポリープがなくなることもあります。しかし、これらの治療に反応しない時はポリープの切除手術による処置が施されます。

声帯麻痺

声帯を動かす筋肉の動きを支配している神経が何らかの理由によって麻痺した結果、声帯が動かなくなってしまう状態を一般的に「声帯麻痺」と呼びます。
麻痺の原因としては、脳の障害や首、縦隔、食道、気管支、甲状腺などにおける病気(悪性腫瘍、良性腫瘍、ウイルス感染など)よって起こりますが、神経自体の病気で麻痺することはほとんどありません。片側の損傷では声帯が完全には閉じなくなるために嗄声と共に誤嚥(ごえん)を起こしやすい。両側の損傷では声帯が中間位で固定してしまうために喉頭の気道が十分に開かず、呼吸困難となります。治療方法は原因となる病気の治療が行われます。しかし、麻痺が残る場合は手術も行われます。